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経営陣からのメッセージ 2003年 (分割版) | アニュアルレポート | KDDI株式会社 kddi ar2003 j04

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(1)

経 営 陣 か ら の メ ッ セ ー ジ

事業環境

2002年度の通信市場は欧米市場を中心に始まった通信不況 や相次ぐ3G(第3世代)携帯電話サービスの延期など、閉塞感の 強い状況が続きました。このような厳しい環境下で、合併3年目 に あ た る 本 年 、K D D I は お 客 様 満 足 の 追 求 を ベ ー ス に

「CDMA2000 1x」で初年度680万の契約獲得、営業利益対前 年度384億円増を達成しました。新生KDDIの真価が問われる 年に、着実な成果を上げることができたことを、まず株主の皆 さまに報告いたします。

事業環境を総括しますと、第一に、2002年度は日本の通信 市場における変化の岐路となる年でした。携帯電話市場では、 すべての事業者がカメラ付き端末を導入するなど、電話機の高 機能化と、特にデータ通信を中心としたサービスの多様化が一 層進みました。また、固定電話市場では、ADSLの付加サービ スとしてIP電話が本格スタートし、会員同士の通話料を無料に するべく通信事業者を含めISP(インターネット・サービス・プロ

バイダー)間での連携が進むなど、今後の固定電話市場に対する 見方を大きく変えることとなりました。

第二に、事業者をめぐる規制に関しても様々な議論がありま した。NTT東西の接続料は従来値下げの方向にありましたが、 規制緩和後、接続事業者にとっては初の値上げとなる決定が総 務省においてなされました。このような、これまでの競争促進 政策に逆行するともとれる動きに対して、我々は危機感を持っ て対応していく必要があると考えています。また、固定発携帯着 通話の料金設定権について、今後の収益構造に大きな影響を及ぼ しかねない議論が展開されました。

第三に、競争状況を概観しますと、携帯電話市場ではJ-フォ ンの参入で日本の3G市場は携帯3社が出揃いました。2003 年度は3G市場も本格化すると見られ、先行する我々も、これか らますます競争が激化することを覚悟しなければなりません。 また、インターネット市場では、ADSLにおいてYahoo!BBがNTT 東西を超える契約数シェアを獲得するなど、新規参入事業者が、

強固なブランド力構築によるコミットメントの達成

Momentum

取締役会長五十嵐 三津雄(左)

代表取締役社長小野寺 正(右)

(2)

KDDI CORPORATION ANNUAL REPORT 2003 4

大きく躍進しています。当社としても今後のブロードバンド戦略の 展開は大きな経営課題と考えております。

変化の激しい状況が続きますが、今後も通信業界全体として は、有線・無線でのブロードバンド化、IP系サービスやソリュー ションなどの新規事業の発展が牽引力となって、堅調な成長を 見込むことができると考えられます。通信事業者にとって、従 来のインフラ型収益依存体質からの脱却という構造変革は避け て通れませんが、むしろ、KDDIはこのような変革期こそ大きな チャンスと捉えています。成長性ある分野へ積極的に参入し、 厳しい経営環境下においても、業績を向上させる経営・事業活 動を行います。

経営基盤の強化

2000年10月の合併後、我々はさまざまな改革を行ってき ました。au事業のサービス面においては、GPSや「ムービーメ ール」、「着うたTM」などの魅力的な新サービスの提供によりブラ ンド力も向上しました。また、「GPS MAP」などの、モバイル通 信と固定通信を融合させた、他社にないサービスの提供を開始 しました。一方、コスト面においては、まずau事業において、旧 来 の 携 帯 電 話 P D C サ ービ ス を 2 0 0 3 年 3 月末 に 終 了し 、 CDMA方式に特化した事業運営に転換しました。他方、合併効 果を実現すべく、各種のシステム統合、運用体制の統合を行な ってきましたが、2003年度末に予定しているマイクロ設備の

除却を残し、資産リストラもほぼ終了の運びとなりました。この ように、サービスの融合、サポート体制の統合、非採算部門の整 理などにより、将来性のある分野に経営資源を集中し、デフレ経 済下においても収益を生み出せるよう、経営基盤の強化に努めて まいりました。気付けばすでに合併後2年以上が経過しており、そ の作業も最終段階にはいっています。

そしてその仕上げともいえるのが、事業所統合プロジェクト です。なかでも東京地区については、これまで新宿、半蔵門、芝 公園、と本社機能が3つのビルに分散していましたが、これを 2003年5月、飯田橋の「ガーデンエアタワー」に集約しました。 この統合により、合併作業は完了し、今後は常に時代を先がけ るKDDIを目指してまいります。

具体的には本社新社屋では、通信事業者に相応しい最先端の IT技術を駆使した先端オフィスを目指します。我々が自らの業 務、カルチャーを変革し、業務効率の改善を実践し、そこで得ら れたノウハウ、先端IT技術を営業活動につなげるという意識で、 積極的に取り組んでいきたいと考えています。

このような新規事業領域で成功をおさめるため、必要なスキ ル、ノウハウの蓄積、向上を目的に、本年4月に「社員力強化本 部」を設置しました。そこで研修を受けた社員は、スキルアップ 後は、ブロードバンド、モバイル、ソリューションそして海外事 業などで新規事業の立ち上げ、新技術の商品化に従事する 予定です。

(3)

ユビキタス・ソリューション・カンパニー

2002年度より、KDDIグループの向かう方向性として「ユビ キタス・ソリューション・カンパニー」を掲げました。これは、「い つでも、どこでも、どんな情報でも」アクセスできる情報交流環 境を整備・提供していくものです。この実現のためには、通信環 境の整備のみならず、端末、アプリケーション、コンテンツなど を駆使し、お客さま満足を起点とした、利用者にとってより付加 価値の高いサービスを提供することで、成功に導いて行きたい と考えます。

具体的には、当社は「CDMA2000 1x」に代表されるモバイ ル技術に加え、高い信頼性と品質を誇る固定ネットワークを保 有しています。そのため、ユビキタス通信の特徴である、あらゆ るサービスをシームレスに提供する、という点において、大き なアドバンテージを有しています。KDDIはGPS、「BREWTM」 などを活用して、法人のお客さま向けにモバイルソリューション を中心に多様なソリューションプランを開発し、シームレスなサ ービスを提供して行きます。また、今後ユビキタス社会におい て携帯電話は財布、クレジットカード、カギ、定期券としての機 能や、冷蔵庫やエアコン等の情報家電機器をコントロールする

➡ ➡ ➡ ➡ ➡ ➡ ➡ ➡

「ガーデン エア・タワー」

この「ガーデン エア タワー」は、「ユビキタス・ ソリューション・カンパニー」を目指す当社が提 供するソリューション・サービスの“モデルビル” として、法人のお客様の視点に立ってソリュー ション・サービスを開発するとともに、実際に 利用し、ビジネス・ソリューションとして提案で きる環境を整えております。

(4)

KDDI CORPORATION ANNUAL REPORT 2003 6

お客さま第一主義

こうした「ユビキタス・ソリューション・カンパニー」の実現に 向けて、当社は第一の基本方針である[お客さま第一主義」およ び「お客さま満足度向上」を起点とした活動に、今後も継続的に 取り組 んで 行 き ま す。2 0 0 2 年 9 月に C S 委 員 会 を 設 置 、

「Quick&Quality」のスローガンを定め、全社的に活動を展開 した結果、各種お客さま満足度調査における評価は従来に比べ て大幅に改善しました。そして、2003年度はこれまでの「カス タマー・サティスファクション」からさらに前進した「トータル・カ スタマー・サティスファクション」(TCS)というコンセプトにまと めて行きます。

これにより、お客さまという概念の対象をKDDIサービスの ご利用者だけでなく、ビジネスのあらゆるカウンターパートに 拡大し、すべての場面で「お客さま満足」を追及するという、ビ ジネスの原点に立ちます。これは、サービス企業であるKDDI にとりまして、お客さま満足は収益の源泉であり、お客さまの満 足を高めることが企業価値の向上につながると考えるからで す。TCS活動を単なる精神論に終わらせずに、各部門で数値目 標を設置し、目に見えるかたちで成果を出して行きます。

コーポレート・ガバナンスと企業の社会的責任

TCSの取り組みの中でも、株主の皆さまにとっての当社の価 値を高めていく、ということは非常に重要な責務だと考え、経営 の効率化と透明性向上に努めてまいります。

また、株主、投資家の皆さまに当社の経営状況について、さら に理解を深めていただけるよう、適時開示をすることが重要と考 え、2002年度第3四半期から四半期決算の開示を開始しました。

さらに、2002年度に、当社の役職員等の業務遂行および業 績向上へのインセンティブを高めるため、ストックオプション制 度を導入しました。付与対象者は、取締役、執行役員、理事及び 監査役並びに管理職クラスの従業員です。また、これらの権利 行使に充当するために、自己株式を取得しました。

一方で、当社は、コンプライアンスと地球環境保護の推進も 企業にとって重要な責務であると考えています。昨今、企業不 祥事が相次いで表面化し、特に米国では大手通信事業者がお客 さまや投資家の皆さまなどの信頼を失った結果、次々と連邦破 産法11条を申請する事態が発生しました。KDDIでは2003年 1月に「KDDI行動指針」を定めるとともに、社内外に企業倫理 の申告窓口であるヘルプラインを設け、問題の早期発見・対処 を行なう体制を整えました。

また、環境問題についても、我々は次世代IT技術を活かした 環境負荷低減型サービスの開発・提供に努めます。特に携帯電 話端末などの大量消費を伴う事業活動で生じる環境負荷を低減 させるための施策を進め、循環型社会の構築に貢献します。こ のように、KDDIは今後とも社会の信頼と共感を得られる企業 風土の実現に取り組んで行きます。

Ubiquitous Solution Company

ユビキタス・ソリューション・カンパニー ➡

(5)

中長期戦略

最後に中長期的な新たな成長に向けての考え方についてご 説明させていただきます。これまで合併効果を最大限に引き出 すべく、スリムで強靭な体制を早期構築し、経営基盤を強化す ることに主眼をおいてきました。この結果、合併に伴う内向き の作業は2002年度で完了したと考えています。今後は当社の リソーセスを100%マーケットに向けて、競争に勝ち抜くため の仕事に注力して行きます。

ここで大事なことは次の2点です。第一に、我々のマーケット を明確にし、お客さまと向きあう姿勢を鮮明にすることです。 そのため、2003年4月に営業体制を個人ユーザーを中心とし たau事業本部とBBC(ブロードバンド・コンシューマ)事業本部、 KDDIの全てのサービスを統合して法人ユーザー向け事業を行 なうソリューション事業本部に再編し、マーケットに対応した組 織としました。第二に、競争の激しい通信業界において、価格 競争に耐えられるだけの持続的な比較優位性を着実に獲得する ことです。「厳しい競争下においてはシェア拡大と利益確保は二 律背反」という考えを打破し、「商品力」「技術開発力」「マーケテ ィング力」などを確実に強化することで、市場から支持を得る会 社になることが、KDDIの将来を支えると考えています。

具体的には2003年度は「CDMA2000 1x EV-DO」や

「FTTH(ファイバー・トゥ・ザ・ホーム)」など次世代商品を戦略的 に導入し、総力を挙げた展開を行ないます。これまでどおり選択

精査を行なうのは当然のことですが、次の成長のために必要な 設備投資については実施していく必要があると考えています。

現在、着実に本業部分でキャッシュフローを創出できる基礎 体力がついてきました。したがって、このように将来への投資 を行ないながらも、有利子負債を2005年3月末に1兆円以内 とする目標の達成は十分可能な状況にあると考えています。デ フレ基調の厳しい経済環境下にはありますが、利益面においても 毎年皆さまにお約束した数字を確実に達成して行きたいと考えて おります。

株主の皆さまには、KDDIの将来にご期待いただき、今後とも これまでと変わらぬご支援をお願い申し上げます。

代表取締役社長 小野寺 正

➡ お客さま満足の一つ一つに向き合い、高めることで企業価値と競争力の向上に努め、

持続的な比較優位性の獲得により、全てのステークホルダーから支持を得るKDDIへ。

取締役会長 五十嵐 三津雄

参照

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